2020年 5月 18日
3年前にドイツで初めて1000バリオを見ました。500馬力なのでデカいのは分かりますが、獲物を狙うような精悍な顔つきで強そうなトラクターの印象でした。確かに大きいのですが、運転席に座るといつもと同じフェントの操作環境なので、これはデカいだけで使いやすそうと思ったものです。
当時は390馬力が国内フェント最大でしたのでした。390でも大きいのに500馬力なんて…とは思わなかったです。どんどん大きくなるのはこれまでもそうでしたので、遅かれ早かれフェントを販売している以上、いつかは500馬力も注文が来るであろうと思っていました。
そこに注文が舞い込んできたのは今年の2月、発注先は九州の土木工事関係の会社からでした。
何でも500馬力クラスのトラクターを大至急ほしいとの事、地元のディーラーでは納期が間に合わないので北海道からでも欲しいとの事でした。
私も有難いお話だとは思いつつも、4千万円以上するトラクターを遠い九州のまた面識もない方からすぐに欲しいというのは、少しリスキーな話ではとも思いました。
しかしながら、その社長さんとメールや電話でやり取りしているうちに、どうやら本気であるらしいことがわかってきました。
そうであればこちらもそのリクエストに応えるしかありません。
新車は1年待ちでも、中古であれば3ヶ月後に納品できますとお伝えし、しかも全額前金でお願いしますと伝えたところ問題なしとの返事、約束通り納品の2ヵ月前に全額が振り込まれました。
コツコツと足で稼いで1台を売るのも商いですが、今回の500馬力のようにあっという間にうれてしまうのも、これはこれで商売の醍醐味であると思います。
需要と供給のバランスのなかでいかにスピーディーに立ち回れるか、そこに商機が転がっているような気がします。
この様な形でフェント1000シリーズの販売が決まるとは、全く予想できませんでした。
どの北海道の農家さんが中沢機械店から1000シリーズ第一号機を買ってくださるかと思っていましたが、まさか九州のしかも土木事業者からのオーダーだったとは。先が予測できないところが、商いの面白さですね。本当、飽きない飽きない。